タイヤの基礎知識


の役目

  1. 車の重量を支えて走る。
    1. タイヤは、内部に充てんされている空気により、車の重量を支えています。
  2. 駆動力・制動力を路面に伝える(発進やブレーキの時のこと)
    1. タイヤは、トレット部(路面と接触する部分)との間に生じる摩擦力により走ったりとまったりします。
  3. 路面からの衝撃を緩和する
    1. タイヤは、内部に充てんされている空気により一種の空気バネの働きをしています。
  4. 車の方向を転換・維持する
    1. タイヤと路面間に生じた摩擦力により、車の方向を転換、維持します。

タイヤの日常

(1)の過不足はタイヤの損傷を招きます。

タイヤは適正な空気圧(自動車メーカーの指定空気圧)が充填されて初めて充分な性能を発揮します。

空気圧に過不足(空気を入れ過ぎと入れ無過ぎ)があると、タイヤが損傷したり、事故につながる恐れがあります。

 ※タイヤの空気圧は、徐々(自然に)に低下します。このため目安として最低1ヶ月に1度は空気圧の点検を致しましょう。

 当店では、無料で空気圧点検を行っております。信頼できるゲージとプロの正確な点検を体験できます。

  • 空気圧不足によるタイヤの損傷
    • 空気圧が不足すると、タイヤの負荷能力は低下し、各部の動きが大きくなるため異常発熱し、その熱によりコードやゴムがして、

(1)はく離やコード切れ

(2)ホイールからタイヤビード部(ホイールとの接着部分)が外れやすくなる。

(3)異常磨耗(タイヤ両肩部が減りやすい) を起こしやすくなります。

  • 空気圧過多によるタイヤの損傷
    • 空気圧が過多になると、タイヤは異常な緊張状態になるので、緩衝能力が低下し、

(1)衝撃傷や切り傷を受けやすくなる。

(2)異常磨耗(タイヤ中央部が減りやすい) を起こしやすくなります。

  • 正しい空気圧を保つためには

(1)タイヤの空気圧は自然に低下しますので、走行前の冷えている時にエアゲージにより定期的(1回/月)に点検し、自動車メーカーの指定空気圧に調整してください。自動車の取扱説明書又は車両のドア付近のプレートに明示されています。

(2)高速走行時の空気圧が自動車の取扱説明書で指定されている場合は、その指定に従ってください。

(3)不足は見た目わかりずらいため、必ずエアーゲージによる点検をしてください。

(4)最高を超える空気圧を充てんしないでください。乗用車用ラジアルタイヤの最高空気圧は350kPa(普通、3.5キロ)と呼んでます。

(5)走行中、タイヤの発熱により空気圧は高くなりますが、増加した分の空気は絶対に抜かないでください。

 タイヤが冷えると空気圧は元に戻ります。

(6)バルブからの空気漏れを防ぐため、バルブの点検(石鹸水等をつけて空気が漏れていないことを確認)

 を行い、バルブキャップは必ずつけて下さい。

(7)リムの部分に、異常な変形が無いかどうかの点検もお忘れなく。

(2)残り溝1.6ミリ未満のタイヤは使用できません。

  • 「道路運送車両の保安基準」で定められています。
    • 『道路運送車両の保安基準」第9条第2項第2号では滑り止めの要件(磨耗限度)が、自動車用タイヤは残り溝1.6mm.と規定され、残り溝が基準未満のタイヤは『整備不良』として使用禁止又は車検不合格となります。
  • スリップサインが使用限度のサインです。

タイヤの使用限度は、残り溝1.6mm.です。それ以前に、新品タイヤとしてください。

スリップサインとは、タイヤの溝の底に1.6mm.のゴムの盛り上がりを設置した部分を言います。

  • 磨耗限度を超えると事故が急増!
    • トレッド部(路面と接触する部分)が磨り減って、溝が浅くなったタイヤは排水・拭水機能が低下し, 滑りやすくなります。そのためすり減ったタイヤで雨の日に濡れた道路を走行すると、スリップやを起こしやすく危険です。

ハイドロプレーニングとは、雨の日にスピードを出して走行すると、タイヤが水の上に浮き上がってしまい、ブレーキやハンドル操作が効かなくなってしまうことを言います。

(3)金属片やガラス等で傷を受けたタイヤは走行中破損する恐れがあります。

  • タイヤに、亀裂又は釘、金属片、ガラス等が刺さっていたり、溝に石その他異物を噛み込んでいないか確認して下さい。異物を発見した時は、ご相談ください。(コードに達している外傷、ゴム割れのあるタイヤは使用しないでください。)

(4)異常磨耗防止のためタイヤの位置交換(ローテーション)をしましょう。

  • タイヤの異常磨耗(偏った減り方)は、次のような現象を起こす原因となります。

1.異常振動

   2.タイヤ音の増大

   3.タイヤ寿命の低下

   タイヤに異常磨耗の兆候が見えたら、直ぐに位置交換をしましょう。

(5)ホイールバランスを調整しましょう。

  • ホイールバランスが狂っていると次のような状態を起こす原因となります。

1.

   2.操縦不安定

   このような状態を感じたら早急にご相談ください。

(6)スペアタイヤの点検もお忘れなく。

  • スペアタイヤの空気圧は、定期的(1回/年)に点検し自動車メーカーが指定した値に調整しましょう。
  • いざという時使えるように、普段から空気圧、溝の深さ、タイヤの傷等充分点検しておきましょう。

(7)他にこれだけは心がけたい事項。

  • タイヤの保管上の注意
  1. 直射日光の当たる場所を避けてください。直射日光はゴムの老化を促進します。
  2. タイヤの内部に水が入らないよう注意しましょう。雨水等が入ったまま長期間放置すると、タイヤ損傷(コード切れ、はく離)又はリムの錆発生のもとになり、危険です。また入った水は直ぐに取り除いてください。
  3. 油類、ストーブ類の熱源及び電気火花の出る装置に近い場所などを避けてください。油類や熱はゴムを変質させ、老化の原因になります。
  • その他
    • 瞬間パンク修理剤又はタイヤ艶出し剤等でタイやに劣化等悪影響を及ぼすものは使用しないで下さい。

ふだんこれだけは心がけたい「安全走行」

(1)新品タイヤは、ならし走行を。

  • タイヤは、新品時から急激に過酷な条件で使用すると異常発生熱による損傷を起こしやすくなります。従って、新品タイヤは次の目安でならし走行を行って下さい。
速度 距離
80km/h以下 100km以上

(2)乱暴な運転はやめましょう。

  • 急発進、急加速、急旋回及び急停止は危険ですので避けて下さい。特に、湿潤路、積雪路及び凍結路は滑りやすく、事故になるおそれがあるため、急カーブでは減速する等、道路状況に応じた適切な運転をして下さい。

(3)タイヤの側面を道路の縁石に接触させない。

  • タイヤを傷つけるおそれがあるので、道路の縁石等にタイヤの側面を接触させたり、道路の凹みや突起物乗り越しなどは避けて下さい。

(4)走行中に異常を感じたときは、ただちに安全な場所に寄せて停車し、原因を確認して下さい。

  • 走行中に車両が操縦不安定になったり、異常な音及び振動を感じた時は、速やかに安全な場所に停車して、車両及びタイヤを点検して下さい。外観上、異常がなくても、早急にご相談ください。

(5)安全確保のため、状況に応じた速度と運転を。

  • 走行中は、常に走行速度に応じた車間距離を確保して下さい。特に湿潤路、積雪路及び凍結路走行時は充分な車両距離を確保して下さい。